2026/06/05
訪問ありがとうございます。企業ブログ担当のオオタケです。
【2026年4月時点】最も企業数が多い市区町村と町字は?~前編:登記数考察の続きになりますが、クイズ③です。
法人登記数1,000件以上の市区町村という条件で、累積増加率が最も大きい市区町村はどこでしょうか。
答えは「神奈川県横浜市西区」です。
上記を含む法人登記数増加率の高い市区町村ベスト10と2026年・2025年・2024年各年4月末時点の法人数、累積増減率は以下となります。
| 順位 | 市区町村名 | 2026年 4月 | 2025年 4月 | 2024年 4月 | 累積増加率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1位 | 神奈川県横浜市西区 | 11,353 | 10,511 | 10,006 | 13.46% |
| 2位 | 大阪府大阪市西成区 | 6,192 | 5,821 | 5,501 | 12.56% |
| 3位 | 愛知県名古屋市中村区 | 10,646 | 10,149 | 9,533 | 11.68% |
| 4位 | 沖縄県南城市 | 1,095 | 1,053 | 990 | 10.61% |
| 5位 | 沖縄県中頭郡読谷村 | 1,093 | 1,048 | 997 | 9.63% |
| 6位 | 長野県北佐久郡軽井沢町 | 1,971 | 1,908 | 1,801 | 9.44% |
| 7位 | 北海道虻田郡倶知安町 | 1,166 | 1,117 | 1,071 | 8.87% |
| 8位 | 愛知県弥富市 | 1,373 | 1,316 | 1,262 | 8.80% |
| 9位 | 沖縄県宮古島市 | 2,850 | 2,768 | 2,630 | 8.37% |
| 10位 | 千葉県山武市 | 2,506 | 2,417 | 2,315 | 8.25% |
上位に入った各市区町村の増加要因をデータから紐解くと、いくつかの明確なトレンドに分類されます。
◆ 都市部におけるバーチャルオフィスの影響
1位「神奈川県横浜市西区」 / 3位「愛知県名古屋市中村区」
いずれも特定町字に所在するバーチャルオフィスへの登記企業の増加が主因です。【2026年4月時点】最も企業数が多い市区町村と町字は?~前編:登記数考察の都心部事例と同様、ブランド力のあるエリアでの利便性を活かした登記集中が見られます。
◆ インバウンド需要と海外・不動産投資の流入
2位「大阪府大阪市西成区」
関西国際空港からのアクセス条件が良好なことから、外国人観光客向けの拠点として中小の簡易宿所や民泊の建設ラッシュが続いています。サンプリングによる代表者名を見る限り、この宿泊施設増加に伴う投資案件拡大から、資産管理系企業が増加していると考えられます。なお、外国法人としての登記数は僅少です。
7位「北海道虻田郡倶知安町」
世界的なスノーリゾート「ニセコ」を擁するこの地では、海外デベロッパーによる高級コンドミニアム開発が進んでいます。外国法人登記数が200社超と非常に多いことからも分かるように、海外資本による資産管理会社および投資開発系企業の増加が登記増へ結びついていると推察されます。
◆ 地方移住と国内実需主導のスモールビジネス
4位「沖縄県南城市」 / 5位「沖縄県中頭郡読谷村’] / 9位「沖縄県宮古島市」
外国法人登記数は極めて少なく、代表者もサンプリングを見る限り日本人が多い状況です。宮古島などでのリゾート投資(ヴィラ、レンタカー、飲食)に加え、沖縄本島(南城・読谷)では現役世代の移住者によるスモールビジネスの起業や、宅地開発に伴うローカルインフラ企業の誕生がエリアを牽引していると推測されます。
6位「長野県北佐久郡軽井沢町」
沖縄と同様に日本人の実需が主導している様子です。移住者・二拠点居住者の急増に伴い、彼らを対象とする実働型サービス(高級民泊管理、造園、サウナ、リノベ建築など)の小規模法人誕生が増加につながっていると考えられます。
◆ 国際物流と輸出ヤードの集積
8位「愛知県弥富市」 / 10位「千葉県山武市」
両地とも主要港へのアクセス条件が良好であることなどから、輸出ヤードの集積地になっています。このように輸出ヤードが元々多いことに加えて、昨今の為替相場動向(円安基調)もあって、サンプリング代表者名を見る限り、輸出関連企業が増加していると推測されます。なお、外国法人数は「愛知県弥富市」が僅少であるのに対し、「千葉県山武市」は300社強を占めているという地域ごとの特徴の差も見られます。
以上のように、表面上の数値増減(ランキング)を見るだけではなく、地域特性やトレンドを踏まえた上で「確認し得る登記法人情報」を見ることが、営業ターゲットの適切な絞り込みには最低限不可欠です。
特に近年は、在留資格(経営・管理ビザ)の厳格化など国の制度変更も進んでおり、今後は『資本金をはじめとしてデータ上は要件をクリアした企業に見えるものの、実態は投資目的のペーパーカンパニー』といった、より見極めが難しい法人が紛れ込んでくるなど、二極化やカモフラージュ化が増加すると予想されます。
過去の古い統計数字や、ツールで自動抽出しただけのデータに基づく営業戦略は、今後さらに営業リソースを中心とした各種機会損失を生むリスクが高まるでしょう。
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【データの算出根拠について】
※本記事における法人数は、各年同月末時点の国税庁「法人番号公表サイト」登録企業総数から、登記閉鎖法人や商号の登記抹搬法人、検索対象外(現存しない住居表記)の企業を除外したほか、一部の誤登記と思われるものを可能な限り修正・クレンジングして算出しています。
※町字・市区町村の識別には、デジタル庁公表の「アドレス・ベース・レジストリ」データも活用しています。